作家のストーリー

大城雅史（陶芸家、ヤチムン大城工房 窯主）

父親に言わせると、こだわりの強い子供だったらしいです。
もともと物を作るのは好きで、伝統工芸、特に陶芸はいいなと思ってたんです。
そしたら高校卒業後の仕事を探していた時、地元豊見城の忠孝酒造が、泡盛の甕（かめ）を作る社員の募集をしていたのに目をひかれたんです。
入社するとすぐに酒甕を作らされました。
数年間は、仕事が終わってからもろくろの練習を続ける毎日でしたが、でも楽しかったですね。
１年後にはとっくりなんかも任されるようになってました。

社長が変わった人で、入社してすぐに、いずれ独立する気持ちを持ってやれと言われたんです。
若かったので、素直にそういうもんだと思って、ずっとそのつもりでやってきました。
独立する４〜５年前から実家の敷地内に小さな工房を作り、試作や練習を始めました。
１２年勤めた忠孝を辞めた時も、社長は快く送り出してくれました。

やちむんの伝統的な柄を守りながら、自分なりの独自性を出すことを目指して色々試行錯誤しました。
沖縄の素材を使うことにもこだわってます。
ぐしちゃん（現・八重瀬町具志頭）の白土とか、豊見城のクチャ（海泥）を使った飴釉とか。
今後も伝統的なスタイルを守りながら、新しいことにもチャレンジしていこうと思ってます。

毎日仕事で忙しいですが、子供３人がまだ小さいので、休みの時は子供達の相手ですね。
明日は家族でシーミー（※）に行きます。

シーミー：清明祭。旧暦三月上旬、先祖代々のお墓に一族が集まり、各世帯が持ち寄った重詰料理や酒、花をお墓にお供えし、皆でいただきます。ピクニックのような雰囲気で親族の親睦の場にもなっています。

インタビュー：２０２２年４月

作品から生まれたモノがたり

恋するシーサー
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