2022/04/10 20:22
5歳になったりょうくんがテレビに手を振る。
お金持ちの実業家が宇宙旅行しているらしい。
すごい時代になったな。
そういえば、卒業アルバムに書いた夢は
「宇宙飛行士」だったっけ。
なんとなくそう書けばカッコいい気がしたから。
ただそれだけ。
大人になった僕は、今日も地球の片隅でただひたすらに土をこね、
ロクロを回す。
春も夏も秋も、凍える冬も。毎日、毎日。
工房で遊ぶりょうくんが、
藍色の器をそーっと持ち上げて僕に言った。
「パパはうちゅうをつくってるの?」
藍色のその器には釉薬の化学変化で生まれた無数の白い点が描かれていて
りょうくんにはそれが星に見えたのだ。
「そうだよ、たくさん宇宙を作ってるんだよ。」
ちょっと胸を張って答えた。
「パパすごい!!ボクもつくりたい!なおちゃんにあげるの!」
なおちゃんはりょうくんの初恋の可愛い女の子だ。
そんな気持ち、ちょっと忘れていたかもしれないな。
焼成から取り出すまで、
どんな作品になるのか誰にもわからない。
扉を開ける時の緊張と期待。
この瞬間がたまらなく好きだ。
僕が作った唯一無二のこの宇宙で、
誰かが笑顔になりますように。
風待 栞
星月夜 作詞・作曲 米盛つぐみ
星月夜 寿夜
南天のザクロ石
願い事 ひとつ叶えて
星月夜 永久の声
遥かなる神話の絵を
星砂の海に照らして
いちいちまでぃん
和わる弥勒世
清らや 咲い渡る空